お客様が住宅ローンを利用せず、ご両親が資金援助をするケースが結構あります。その際に「相続時精算課税制度※詳細は前日ブログ参照願います」とセットでお伝えしています。
◆住宅取得資金等の非課税制度とは?
令和5年12月31日までの贈与が対象ですが、子供ないし孫が住宅を購入するための資金援助であれば、年間110万円に加えて最大1000万円まで贈与しても贈与税が課税されない特例のことです。亡くなる前3年以内の贈与はなかったことにされる、贈与税の3年内加算のルールも適用されません。なお、あくまで住宅を新たに取得するための資金援助に限定されるため、既存の住宅ローンの返済のための資金援助はこの特例の対象となりません。
◆主な適用条件
- 贈与者:受贈者の直系尊属(父母・祖父母)であるこ。
- 受贈者:贈与者の直系卑属(子か孫)であること。つまり、義理の両親から贈与を受ける場合はこの特例は使えません(養子縁組をした場合は適用)。なお、2022年4月1日以降からは成人年齢が18歳になりますので、この制度も18歳から使うことが可能になります。
- 贈与を受けた年の翌年3月15日までに条件をクリアした住宅用家屋(新築・中古)を取得していること。
- 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住することまたは遅滞なく居住することが見込まれること等。
◆非課税限度額
- 耐震・省エネまたはバリアフリーの住宅用家屋➡1000万円
- それ以外の住宅用家屋➡500万円
◆併用できる制度
①贈与税の控除制度:贈与税には基本的に、2つの控除制度が存在しています。1つは暦年課税と呼ばれる基礎控除と、そしてもう1つは、相続時精算課税と呼ばれる特別控除です。暦年課税では毎年110万円までの贈与税を控除することができるのに対して、相続時精算課税では2500万円までが免除されます。今回取り上げている住宅取得資金等の非課税制度は、これら暦年課税(110万円)と相続時精算課税(2500万円)のどちらか1つと併用することができます。一見すると相続時精算課税制度を利用したほうがお得のように思えますが、免除された贈与額が、最終的には相続財産として合算されて清算される制度になっています。相続時精算課税制度を利用する場合は、贈与税の免除額が多くなる代わりに、相続時にかかる相続税が負担になることを覚えておかなければいけません。さらに、一度相続時精算課税制度の利用を選ぶと、一生にわたって暦年課税を選択できなくなります。
②住宅ローン控除制度:住宅ローン控除との併用も可能です。住宅ローン控除は上手く利用すれば、最大400万円ほどの控除を受けることができるお得な制度です。住宅ローン控除制度とは、住宅ローンを組んで住宅を購入した際に利用できる控除制度です。年末時点の住宅ローン残高と取得対価(住宅や土地の購入代金や諸費の合計額)のうち、少ないほうの1パーセントの金額が、収めた税金から還付されます。住宅ローンを利用しても住宅の購入額に達せず、両親から資金援助を受けた場合などは、この併用を利用することでお得になります。(適用期間は10年間でしたが、消費税が10%に増税されたことに伴い、13年間に延長されました)
◆注意点
- 非課税額の範囲内だったとしても、申告期限までに必ず贈与税の申告をしなければなりません。申告期限に1日でも遅れたら絶対に非課税にしてくれないことです\(◎o◎)/!なお、贈与税の申告期限は、贈与した年の翌年2月1日から3月15日までです。
- 「小規模宅地等の特例」が利用できなくなります。※詳細は前日ブログ参照願います
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